海外SEO対策:基本の「き」から
日本国内では既に一般的なマーケティング手法となって久しいSEO対策。
ただ国外をターゲットにしたSEO対策となると、話は別。意外にも経験したことがある方は少ないのではないでしょうか?
海外SEO対策の事が良くわからないけど始めてみたい!
日本のSEO対策との違い、海外向けの対策ならではの押さえるポイントが知りたい!
そんなニーズをお持ちの方のために今回は海外SEO対策のことがまるっと分かる記事にしてみました。
海外SEO対策歴5年以上、対策ウェブサイト総数100サイト以上を超える経験を基にわかった内容をベースにお伝えしていければと思います。
海外SEO対策って誰にアプローチするもの?
まず最初に触れておきますが、「海外SEO対策」は誰をターゲットにした施策なのでしょうか?
いいかえれば、誰にサイトを見てもらうための施策でしょうか?
これが1つ目のポイントになります。
基本的には、日本国外に居住している人であれば誰に対してでも、施策を行うことができます。
ターゲットの人たちが使うであろう言語でサイトを作ってSEO対策を施すことで、検索結果で上位表示できる可能性はでてきます。
Googleを始めとした検索エンジンが浸透して世界の情報インフラとまで成っているこの状況なので、世界中の人が日々検索エンジンを使っています。
なので、海外SEO対策をすることで非常に多くの人にリーチできる可能性があるというわけです。
もちろん、ターゲットが限られている場合であれば特定の人たちに絞ってリーチすることもできます。的を絞った対策を行えば、それだけ効率的に結果を生むこともできます。
ターゲット設定の際にはざっくり、「言語」と「国」という2軸で考えるとご理解いただければ問題ありません。
海外SEO対策の効果は? やるべき価値は?
海外SEO対策をしてどれくらいの反響が期待できるか、これはターゲットとなる人がどれくらいいるのかによって変わってきます。
もちろん、対策する言語や国によって対象数が変わってきます。
できれば、SEO関連のツールを使って対策するキーワードがどれくらい検索されているかを調べておくとより正確な母数を掴むことができます。
これは国内のSEO対策とも同じですが、海外でも順位がしっかり上がるまでには多少の期間が必要になります。現在の検索エンジンの仕組み上、短期間で上位表示を達成することはなかなか難しくなっています。
もし短期間でサイトに流入を集めたい場合には、SEOではなくて他の広告を使って流入を増やす方法もあるので、併せて検討してみてください。
一般的な考え方として、広告とSEO対策を一緒にやり始めて、SEO効果がでてきたら広告の比重を徐々に減らす、という併用も良いと思います。
そのため、早急に流入が必要な場合、対策したいキーワードがころころ変わるというケースもSEOにはあまり向いていないです。
ただ、一度上位表示をすれば中長期にわたって流入が期待できる費用対効果が高い手法であることは間違いありません。
海外SEO対策と日本国内のSEO対策の違い
海外と国内でSEO対策の違いってなんでしょう?
これは一言で言い切れないくらい色んな違いがありますが、、。ざっくりと以下にまとめてみました。
・対策する検索エンジンの違い
(上位表示の仕組みが違ったり、そもそも検索結果内の枠数が少なかったりする)
・ウェブサイト制作の違い
(サイトの構造だったり使用するコーディングが独特)
・ドメイン、ホスティングの違い
(「co.jp」「.jp」は日本向きのドメイン。ましてや日本語ドメインは言うまでもなく)
・ウェブサイトの言語の違い
(言語が違うといくら良いSEOをしても順位があがらない)
・作るべきコンテンツの違い
(対象とする海外の人に「ウケる」「役立つ」コンテンツ作りをする必要あり)
・競合サイトの違い
(競合サイトの数、強さが違う。これによって対策の難易度が変わります)
・使うべきツールの違い
(日本で普及しているツールは海外SEOに適していない場合あり!)
項目が多くなってしまいました笑。
簡潔にまとめようとしましたが、それでもやはりこれくらいのポイントは抑えたほうが良いです。
たまに「Googleはどの国でもアルゴリズム(上位表示するための仕組み)が似ているから、日本のSEOのやり方を踏襲すればOK」といっている人もお見かけしますが、さきほど挙げたポイントをみれば、その言い方は少し乱暴と言わざるを得ないかもしれません。
国内のSEOで経験があるから海外SEO対策も問題なくいける!とは残念ながら言い切れない状況です。
しっかりと海外SEOをやるのであれば、実績がある人のサポートを得る方が、良い効果が見込めるかと思います。
各項目の詳しい説明は以下、また他の記事で詳しく説明しますので参照してみてください!
海外SEO対策で踏まえるべきポイント① 対策検索エンジン選定
海外SEO対策を考えるとき、まずはじめに、アプローチしたい層がどんな人達なのかを良く考えてください。
漠然と「海外にいる人にアプローチしたいな〜」と考えるのは、施策を成功させる上では避けたほうがよいでしょう。
まずは2つの例を挙げてみます。
1. オーストラリアに住んで英語を使って検索するネットユーザー
⇒対象となる検索エンジンは、「google.com.au」
2. 中国に住んで中国を使って検索するネットユーザー
⇒対象となる検索エンジンは、「baidu.com」
オーストラリアはGoogle検索がメインで使われていて、中国ではBaiduが良く使われます。
そのため、2つの例では対象にするべき検索エンジンが異なります。
これはおそらく、みなさんの多くが既にお気づきのことかと思います。
次にもう2つ、例をあげてみます。
1. オーストラリアに住んで英語を使って検索するネットユーザー
⇒対象となる検索エンジンは、「google.com.au」
2. シンガポールに住んで英語を使って検索するネットユーザー
⇒対象となる検索エンジンは、「google.com.sg」
シンガポール、オーストラリアはどちらもGoogleがよく使われている国ですが、実は同じGoogleでもそのドメイン名が違うのです。
そして重要なポイントですが、同じGoogleでも国によって上位表示されるウェブサイトの傾向が違います!
なので、海外SEO対策をするときには「検索エンジンの種類」(google, bing, baiduなど異なる検索サービス)と「検索エンジンのドメイン」の両方のことを考える必要があります。
注:英語圏全域にアプローチしたい!というニーズは確かに理解できます。
世界の英語人口は15億とも言われていますので、ターゲットの母数が大きいです。
ただしアプローチする層が大きくなりすぎて、用意するコンテンツも汎用的なものになる可能性がとても高いです。コンテンツの中身をユーザーにとって価値が高いものであればあるほど、SEO対策には有効です。なので、英語圏全域をターゲットにする場合も、国や地域ごとにあわせてコンテンツの内容を変えると工夫をしたほうが良い場合もあります。
海外SEO対策で踏まえるべきポイント②ウェブサイト制作の違い
さて次に、ウェブサイト制作における違いを見てみましょう。
「え、サイトづくりも海外SEOに関係あるの??」なんていう声も聞こえてきそうですが、そんなに難しいことはなく、いくつかのポイントを踏まえておけば大丈夫です。
海外SEO対策をするウェブサイトを作る時に気をつけたほうが良い点は、主に以下の3つです。
- ページの言語をHTMLタグで指定する
- サブドメインやディレクトリで国と言語を切り分ける
- 上位表示させたい地域を設定する(Hreflang属性、Google Search Console)
それぞれを見ていきましょう。
1. ページの言語をHTMLタグで指定する
1つ目「ページの言語をHTMLタグで指定する」ですが、HTMLソースの先頭にタグを設定することで、そのページで使う言語を検索エンジンに伝えることができます。例えば英語のページであれば<html lang=”en”>、日本語であれば<html lang=”ja”>という具合ですね。
今の検索エンジンは賢くなっているのでこのタグ無しでも言語を判定してくれますが、確実を期すためにもやっておいたほうが良いでしょう。
(念のためにお伝えしておきますが、一つのページで使う言語は基本的にひとつにしてください。)
2. サブドメインやディレクトリで国と言語を切り分ける
次に移りましょう。2つ目「サブドメインやディレクトリで国と言語を切り分ける」です。ひとつのドメインで多言語や複数の国向けのコンテンツを持ちたい場合に有効な方法です。
例を見るのがわかりやすいと思うので、アゴダという海外ホテル予約サイトのやり方を見てみましょう。
アゴダは世界的にサービス展開してますが、ドメインは「agoda.com」1つで運用しています。
このサイト日本語で見ようとすると以下のようなURLで表示されます。
https://www.agoda.com/ja-jp/
URLの後ろに「ja-jp/」とありますね。実はこれが言語と国の情報になっており、検索エンジンもこれを理解しています。
この場合はjaが日本語、jpが日本国という意味ですね。
次にアゴダのサイトで香港と台湾のページ見ると、URLが以下のようになってます。
香港⇒https://www.agoda.com/zh-hk/
台湾⇒https://www.agoda.com/zh-tw/
どちらも「zh」が含まれていますがこれが「中国語(繁体字)」を表しています。その後に続く「hk」が香港、「tw」が台湾の意味ですね。
こんな感じで、実は国と言語はURLでアルファベット2文字で表すことができるんですね。
この2文字のルールはしっかりと決められていて、正しく使うことで検索エンジンが理解してくれます。
リストが掲載されたページのURLを貼っておくので、詳しく知りたい方は見てみてくださいね。
3. 上位表示させたい地域を設定する(Hreflang属性、Google Search Console)
さて、2つ目が長くなってしまいましたが(汗)、次の項目に移りましょう。
「上位表示させたい地域を設定する(Hreflang属性、Google Search Console)」ですね。.
これまたURLの国コードと同じく、対象となる国を検索エンジンに伝える方法です。
Hreflang属性の設定は、HTMLソースのヘッダー内に以下の属性を記述します。
rel=”alternate” href=”(設定するページのURL)” hreflang=”(言語と国コード)”
これに加えてグーグルサーチコンソールでも地域ターゲティングのセクションで、サイトを上位表示させたい国を選ぶことができるようになっています。
以上3つのポイントを紹介してきましたが、これはどれか一つをやって終わりではなく、できるものは全てやったほうがより確実に効果が出せるでしょう。
再度のまとめですが、海外SEO対策をするときはウェブサイト制作で3つの点に注意しましょう。
- ページの言語をHTMLタグで指定する
- サブドメインやディレクトリで国と言語を切り分ける
- 上位表示させたい地域を設定する(Hreflang属性、Google Search Console)
海外SEO対策で踏まえるべきポイント③ドメイン、ホスティングの違い
記事が長くなってますが、もうちょっと続けます笑。
次はドメインとホスティングです。
ドメインに関しては、国や地域と紐付いているものがあるのを知っておけば、SEOに有利に使えます。
この記事を呼んでい頂いている皆さんであれば周知のことかもしれませんが、ドメインでよく使われている「.jp」「.co.jp」「.ne.jp」は日本向けのサイトです。
同じように例えば韓国向けのサイトは「.kr」、台湾向けのサイトは「.tw」というドメインが存在してます。
検索エンジンもこれを理解して、その国に適合するドメインをもったサイトはSEOで有利になります。
国別のドメインリストを紹介しているウィキペディアページへのリンクを載せておくので必要だったら見てくださいね。
ホスティングについては、以前に比べると今は重要度はかなり低くなっています。
上位表示させたい国のホスティングサーバーを契約するとSEOで有利になるという時代がありましたが、今は安全で速いサーバーであれば特に場所に拘る必要はないでしょう。
海外SEO対策で踏まえるべきポイント④ウェブサイトの言語の選定
これは特に、英語以外の言語がある国を狙う場合には注意した方が良い内容です。
国によっては複数の言葉が話されていたりして、どの言語が検索でよく使われるのか、調べないとわからない場合があります。
例えば東南アジアのマレーシアはマレー語という国の主要言語がありますが、検索においては英語の方がよく使われます。
そのためマレー語より英語でサイトを作ったほうが、マレーシア人にはしっかりリーチしやすいです。
しかし、現地の人に話を聞かないとこういう実際の状況は見えづらいですね。。。対策する国の数が多かったら、いちいち人を見つけて聞くのも難しいです(汗)
そこで、キーワードの検索回数を調査できるSEOツールなどを使うことをおすすめします。
ツールを使うことで効率的にデータを収集して、ウェブサイトで使う言語の選定に活かすことができます。
海外SEO対策で踏まえるべきポイント⑤作るべきコンテンツの違い
Googleを筆頭に検索エンジンは賢くなるにつれ、サイトのコンテンツの内容を理解できるようになってきています。
人間レベルとは言わないまでもコンテンツが有用かどうかを判断し、それを検索順位に反映するようになっています。なんと生意気なことでしょう。
そうした背景から、近年は「Content Is King」というフレーズが世界中で叫ばれ、コンテンツマーケティングの重要性が高まってきました。
日本のSEO担当者もコンテンツ作りにより力を注ぐようになってきましたが、しかし!
海外SEO対策となると、いまある日本語のサイトをそのまま他の言葉に翻訳して済ませちゃう方が結構いるようです。
日本サイトのコンテンツは、日本人に好まれるように作られているので、そのまま翻訳しただけだと海外の人にはウケない、伝わらない事があります。なのに、多くのサイトが国内向けのコンテンツの翻訳止まりになっているのが現状です。
私からするとワラエナイですが、これから海外SEO対策をやられる皆さんは、強い競争相手が少ないとポジティブに捉えましょう(笑)。
対象となる国ごとにコンテンツを作り込むのがベストですが、それが難しい場合でも、一部だけ変えるなどできる範囲で対策をすると良いです。
海外の人にウケる、伝わるコンテンツ作りですが、現地に精通した人に依頼できない場合、以下のデータを参考にして自分たちで作成する方法があります。
- 検索されているキーワード
- SNSでシェアされている記事
- 既に検索結果で上位表示されているページのコンテンツ
海外SEO対策で踏まえるべきポイント⑥競合サイトの違い
日本と海外のSEO対策では、自社の競合となるサイトの数が当然ながら異なります。
そしてこれも当然ですが、上位表示をさせる難易度は、強い競合サイトがどれだけいるかによって変わってきます。
海外SEO対策が初めての場合だと、とっつきづらさも相まって「海外SEO対策ってむずかしいのかな〜」などと考えてしまいガチだと思いますが、一概にそういうことはなく、場合によって難しさが違うというのが正しい理解です。
検索回数が多くても競争相手が少ない狙い目キーワードがあるかもしれませんし、逆にSEOが強いサイトがごろごろいるキーワードは、戦略的に避けるべきケースもあります。
また以下にあげるような商品・サービスは、日本人である私達が情報をたくさん持っており、海外の方と比べて明らかに分があります。
なので、海外SEO対策のコンテンツ作りでも優位に立てる見込みが高いといえるでしょう。
このような商品を取り扱われているのであれば、積極的に海外SEOをやりましょう笑。
- 日本に強みがある商品(日本食、日系メーカー製品など)
- 海外旅行客の日本への呼び込み(観光ツアー、航空券、交通サービス、お土産など)
海外SEO対策で踏まえるべきポイント⑦外部リンク獲得の違い
外部サイトからの被リンクをもらう場合、リンクの設置元のサイトの言語が、SEO対策をする言語と同じ方が効果が高まります。
地道ではありますが、言語や対象にしている国が同じサイトに連絡をしてリンクを張ってもらえないか打診するのが一つの手です。
海外SEO対策で踏まえるべきポイント⑧使うべきSEOツールの違い
以上で7つの点について触れてきましたが、実際に海外SEO対策をする場合には、必ず便利なSEOツールを使うようにしてください。
これは国内・海外を問わずですが、いまのSEOはやることが色々あって、複雑化してきています(汗)。
ツール無しでやってしまうと良い情報が集められずに苦労しますし、対策をしたあとで順位が改善しているかを調べるのもままなりません。
別の記事でも紹介していますが、無料で使えるNeilPatelのような便利ツールもでてきていますので、そうしたものを使ない手はありません。
私もSEOをやる場合にはほぼかならず、こうしたツールを利用しています。
なかには有料のものもありますが、ツールを使うことで結果的には上位表示の成功率もあがるので、あまりケチらずに積極的に使ったほうが良いと思います(笑)
海外SEO対策を外注する際の代理店の選び方
自社内でやる余裕が無い場合は海外SEO対策を外注することになると思います。
その場合は、必ず海外SEO対策での実績がある代理店やフリーランサーの方を選ぶようにしてください。
代理店の場合はSEOコンサルタントが社内にしっかりといるかどうかも、見ておくと良いポイントです。(代理店からまた外注するケースも有るため)
また提案の段階で、ある程度サイトの状況分析や施策の方向性を示してくれるところの方が、契約してから失敗をすることが少ないでしょう。
あと日本でも同じですが、順位の保証をしてくるような所は、少し注意をしましょう。いまの検索エンジンの仕組み上、絶対に上位表示をするというのは不可能です。最悪、スパム要素が高い施策をされる可能性もあるため、どんな施策をするのかはよくよく確認しておいてください。
現在は弊社でもご相談をお受けしていますので、ご興味のある方は記事下のフォームからご連絡をお願いします。
さて、ここまで海外SEO対策について書いてきましたが、みなさんの助けになれば書いた方としても冥利につきます。
海外SEO対策の事が良くわからないけど始めてみたい!
日本のSEO対策との違い、海外向けの対策ならではの押さえるポイントが知りたい!
そんなニーズをお持ちの方のために海外SEO対策のことがまるっと分かる記事にしてみました。
他にも知りたいこと、ご相談があればお気軽にご連絡ください。
それではまた!
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